福利厚生の分類と種類

福利厚生の分類と種類

福利厚生

福利厚生とは、企業が従業員に対して通常の賃金・給与とは別に、従業員やその家族に提供されるものです。
従業員に安心・安全に働いてもらい、満足度の向上につながります。また、福利厚生は人材確保に有効に働きます。そのため、福利厚生に力を入れている企業が多くあります。

福利厚生には、様々な種類があります。その特徴をみていきましょう。

福利厚生の分類

福利厚生は、「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2つに分類されます。

法定福利厚生

法律で義務づけられている最低限の「法定福利厚生」です。社員を雇用する企業は必ずこの法定福利を提供する義務があります。
提供されていない場合、法律違反となります。

法定外福利厚生

企業が独自に定める福利厚生で、従業員の満足度向上や人材確保につながりやすい「法定外福利厚生」です。
提供されていなくても法律違反にはなりません。

福利厚生の種類

福利厚生の種類についてみていきましょう。

法定福利厚生

法定福利厚生は主に以下の6種類です。

健康保険

業務外で被保険者である従業員やその家族が、けがや病気、休業、失業、死亡などの医療費の負担を軽減したり、手当金を支給したりする保険です。
会社・従業員それぞれ50%ずつ負担します。

厚生年金保険

会社員や公務員などが加入することになっており、従業員の老後は国民年金に厚生年金が上乗せされて給付される年金です。給付額は、所得や加入期間によって変化します。
会社・従業員それぞれ50%ずつ負担します。

介護保険

介護が必要な方に介護費用の一部を給付する制度です。40歳以上の健康保険加入者の全員が加入する必要があります。
会社・従業員それぞれ50%ずつ負担します。

雇用保険

失業や、育児・介護で休業する場合に給付金が受け取れる保険です。労働者の生活及び雇用の安定や再就職の援助など雇用に関する制度です。
一般的な企業の保険料は、企業が2/3、従業員が1/3を負担します。

労災保険

業務中や通勤途中に怪我や病気・障害、死亡した場合などに給付を受けられる制度のことです。労働者やその遺族の生活を守るための保険です。
企業が全額負担し、従業員による負担はありません。

子ども・子育て拠出金

児童手当や子育てに関する各種支援事業に充てられている税金です。
企業が全額負担し、従業員による負担はありません。

法定外福利厚生

法定外福利厚生は、企業により様々です。一例をご紹介します。

住宅手当・家賃補助

住宅手当・家賃補助は、家賃やローンなど住宅にかかる費用の一部を補助する福利厚生です。

通勤手当

通勤にかかる交通費の全額または一部を負担する福利厚生です。

昼食補助

従業員の昼食代を企業側が負担する福利厚生です。社員食堂やお弁当配送サービス、チケットサービスなどの外食費用の一部支給、オフィスに専用の冷蔵庫を置く設置型サービスなどさまざまな形で提供されています。

法定外の健康診断

定期健康診断は福利厚生として義務付けられていますが、インフルエンザの予防接種、人間ドックやがん検診など法廷外の健康診断が受診できる福利厚生です。

宿泊施設やレジャー施設の割引制度

ホテルが安く泊まれたり、レジャー施設の割引券を配布したりする制度で、従業員の余暇の充実を支援できます。社員からも人気の福利厚生です。

自己啓発活動

社内での自己啓発プログラムの実施や、セミナーや講演会の参加費を負担するなどがあります。社員のモチベーションがアップにつながる福利厚生です。

上記は一例で、他にも様々な種類の法廷外福利厚生があります。

そのなかでも、複数の中から選択できる福利厚生サービスのカフェテリアプランというものがあります。

カフェテリアプラン

企業側があらかじめ利用可能なた福利厚生サービスを設定しまうす。従業員はあらかじめ与えられたポイントの範囲内でサービスを利用することができる選択型の福利厚生です。
企業が設定した豊富な福利厚生の中から、従業員が好きなメニューを自由に選択できるため、多種多様な従業員のニーズに対応する魅力的なプランになります。

福利厚生の注意点

福利厚生を提供するためには、コストと人員を確保する必要があるため、企業側の負担は大きくなります。
ですから、定期的に福利厚生の見直しと状況に合わせた改善し、なるべく多くの従業員が平等に利用できる福利厚生を提供し、費用対効果の高い制度の導入が必要となります。

まとめ

福利厚生の導入は、従業員の満足度向上や人材確保に有効に働くため重要なものとなります。しかし、企業側の負担が多くなるのも事実です。会社と社員のどちらにとっても有益な福利厚生制度の導入が鍵になります。実際に、従業員の声を聞きながら、優先順位をつけて導入していくと良いでしょう。